遺品整理の実情1.『マル特の見積もり』

「お電話有難うございます、セントワークスです」
「セントワークスさん、大阪葬祭の内村やけど、また見積もりを頼みたいねん」

内村さんとは、大阪府高槻市で葬儀会社を営んでる方で、自社で葬儀を受けたお客様が遺品整理で困っていると、お声をかけてくださる弊社にとって、とても有難い存在です。


見積もり当日、高槻市の、とある閑静な住宅地でその家はスグに見つけることが出来ました。

1戸建ての2階建てで庭も広く、家屋の敷地面積だけでも300㎡はあろうと思われる立派な住居です。
しかし、あきらかに周りの住宅とは違います・・・。

 

そう、庭やベランダ、玄関の入り口周りには乱雑に放置された不用物(家財道具・ペットボトル・食べ物の容器・空き缶・雑誌・衣類・黒の大きなビニール袋など)が溜まっています。

 

そして、玄関のドアの横のガラスには、ダンボールが張られています。

内村さんの話では、家の中も不用物で溢れかえり、玄関先からゴミを掻き分けて、トイレの中で亡くなっていた故人を運び出したそうです。

 

実は、この住居のご近所から「凄い悪臭がする」と苦情があり、通報を受けた警察が玄関横のガラスを割り、扉を開けて、ご遺体を見つけ、お身内を探し出したようです。その方が、内村さんに葬儀を依頼したそうです。

 

警察(検視官)とは、ご遺体を確認し事件性がなければご遺体を運ぶことなく葬儀社に委ねるのです。
私がしばらく家の周りを観察していると、見慣れたワンボックスカーが到着し、車から内村さんとご親族様3人が降りてこられました。

 

そして、内村さんが私に足早に近づき耳元で「究極のマル特やで」と。

 

『マル特』とは、弊社が作った合言葉で遺品整理において家屋内で孤独死をし、遺体が腐乱状態になり悪臭が漂い蛆や蝿などが大量発生した現場を示す言葉です。

 

この場合の『究極』とは、それ以外に家の中が不用物(ゴミ)で溢れかえっていることを伝えたかったのでしょう。

 

私はいつもどおりに「大丈夫ですよ」と言い、ご親族様に向かって首から提げた遺品整理士の資格を見せてご挨拶をさせていただきました。

 

お話を伺うと、ご自分でインターネットを調べて他の業者2社(遺品整理業者?)に見積もりを依頼したそうですが、どちらの業者も出来ないと見積もりもそこそこに帰って行ったそうです。


そして困ってしまい内村さんに相談をされたようです。

 

弊社では今まで、どのような悪条件のご依頼もお断りをしたことがありません。


私は早速、家の中の状況を確認するために、懐中電灯と見積書の付いた手板版を持って、玄関の横に張られたダンボールをめくり、その隙間から腕を伸ばして玄関扉の鍵を開けました。


ダンボールを剥がした瞬間、悪臭とともに数十匹の蝿が外に飛び出していきます・・・。私はマスクを身に着けておりません。けして忘れたのではなく、遺品整理を行う者のプロ意識がそうさせています。
ご親族と内村さんは、車の中で待機されています。


玄関の扉開けると不用物(ゴミ)が私の胸元程、積もっています・・・。


私は心の中で『これは、過去最高の遺品整理の見積もりの提示になるなぁ』と考えながら、不用物の山に登ります。


山を登ると左前面に小高い斜面があります。
『ああ、二階に上がる階段やなぁ・・・、取りあえず、まずは一階を征服しょう』と思い、頭を低くしながら前進します。


比較的に、この不要物の上は歩きやすくなっています。

それは長年、この家の住民が出入りをしているうちに踏み固まれたからです。

そうなると、ゴミが圧縮されてしまっているので掘り出しての作業になり、手間がかなりかかってしまいます。

 

すぐに故人が発見されたトイレにたどり着きました。

そこにはブルーシートが被せてあります。トイレのドアは全開してあり、小窓には無数の蝿が光を求めて集っています・・・。


私はブルーシートの端っこ掴み、そっと捲ってみました。

『やっぱりかぁ・・・』

思っていたとおり、腐乱液が染み付いています・・・。
そして、丸々と太った無数の蛆が不気味に身体をくねらせ、捲られていないブルーシートの中に移動していきます・・・。

私は、そつとブルーシートを元に戻し、となりの洗面所に移動していきます。不用物が積もった同じ光景。多分、この横には浴槽があるのだろうが、積もった不用物で見ることは今は叶いません。

『ん?』

もう一度よく不用物を見ると、明らかに1.5ℓのペットボトルの数が多い。そして、ほとんどが半分以上の『液体』が入っています・・・。『爆弾や』と思い、私は一瞥し、向かいの半分開いた引き戸の部屋に目をやりました。

・・それは、トイレを使えなくなった住人が尿を入れた尿爆弾です・・・。

この部屋は暗く中の様子が見えないので、懐中電灯の光を当ててみました。 10畳ほどの部屋の光の先には、私の胸元までの不用物の中に、上部だけ姿が見えるブレダン(洋服ダンス)とテッペンだけがかろうじて見える整理ダンスがあります。

他にも家財道具があると思われるのですが、『今』は埋もれていて他には見つけることが出来ません。

『一階は全てこうだろう』と思いながら次に向かいます。
結果、一階の間取りは3LDKなのが判明しました。リビングと思われる場所はかなり広く、相変わらず上部だけ姿の見える飾り棚・サイドボードが確認出来ただけです。多分、応接セットや食卓セット・テレビボード・テレビ類などは埋もれてしまっているのでしょう。他に納戸らしき扉が2箇所ありましたが、不用物で扉が埋もれ開けることは出来ません。

各部屋にも一通りの家財(ベッド・デスク・タンス類)があると想定し、私は一階部分の遺品整理(不用物)の撤去容積を算出します。

遺品整理、ゴミ部屋・ゴミ屋敷に関するご相談は0120-668-203まで